産後鬱はすぐ近くにいる
9回
これは私のここ一週間の一日の授乳回数の平均です。
単純に計算すると2時間~3時間に1回のペースで授乳していることになります。
産後は3時間置きに授乳しなくちゃいけないから睡眠不足でつらい。
聞いたことはあってもそれをリアルに想像まで出来る人は少ないでしょう。
私の場合、片方約10分ずつ、両方合わせて20分程授乳に時間がかかります。
10分程度で終わることもありますが、20分以上かかることもあります。
1日の授乳回数が平均9回なので1日に180分、つまり1日に3時間授乳をしています。
授乳後はげっぷをさせますが、これがまたスムーズに出ないことが多いです。
私は5分やって出なければ諦めるので5分×9回で45分。
授乳とげっぷで3時間45分。
オムツ交換は大体1日に10回。
オムツを開いてきれいに拭いて新しいオムツを装着して汚れたものを丸めて捨てて手を洗うまで3分ぐらいでしょうか。
というわけで3分×10回で30分。
授乳、げっぷ、オムツ交換で4時間15分。
赤ちゃんはおっぱい以外の時間は寝てるか機嫌よく布団に転がっている訳ではないのでひたすら抱っこでユラユラ揺れながらあやす時間があります。
とにかく布団に降ろすと泣くのでひたすら抱っこ。
これは日によって差が大きいのですが20分ぐらいの抱っこを1日に5回ぐらいで考えて100分。
授乳、げっぷ、オムツ交換、抱っこの合計で5時間55分、大体6時間。
これに加えてミルクの吐き戻しがあれば服を着替えさせたりシーツを取り替えたり。
オムツ漏れをしてしまえば脱がせた服やシーツは手洗いしてから洗濯機に入れたり。
オムツかぶれを起こしていて、うんちの度にシャワーで洗い流してやり薬を塗ってやることもある。
現在、乾燥性の乳児湿疹が出ているので1日に数回保湿クリームを全身に塗ってやる。
そして1日に1回入浴という大仕事。
なんだかんだで赤ちゃんの世話に費やす時間が1日の3分の1である8時間ぐらいだとしましょうか。
何がつらいのか。
この8時間分の仕事を昼夜関係なく24時間の中で細切れに、全て相手のペースで進めないといけないということがつらい。
洗濯物を干そうとする
子供泣く
オムツ交換、授乳
布団に子供を置いて洗濯物干しの続き
泣く
中断
抱っこであやす
ようやく寝たので降ろす
泣く
抱っこであやす
ウンチの音が聞こえる
オムツ交換
背中まで漏れてたので全部着替えさせる
まだ泣くのであやす
ようやく落ち着いたので布団に降ろす
ウンチ漏れで汚れた服を手洗い
洗濯物干しの続き
と思ったら次の授乳時間
自分のやりたいことをスムーズに進められないストレス。
家を出る直前に授乳を済ませ、次の授乳時間が来るまでの間にミルクを吐かないかオムツ漏れをしないか機嫌が悪くなって泣き出さないかソワソワしながら急いで済ませる日々の買い物。
やっと眠りについた我が子の隣りで次は1時間後に起こされるのか2時間後に起こされるのか緊張しながら横になる夜。
8時間分の仕事が24時間の中にランダムに散りばめられるってそういうこと。
その中で最低限の家事をこなしながらどうやって睡眠時間を確保すれば良いのか。
そして慢性的な睡眠不足で人は病む。
授乳しながらボーっとする頭でアイロンがけする予定の服が溜まっている事、チェックしないといけない保育園への提出物が何日もそのままになっている事、次天気が良かったら干そうと思いながら何日も晴れの日を見送ってしまっている布団の事、最低限の家事をこなすのに精一杯で未消化になっている事がどんどん山積みになっていく。
睡眠不足で肌はボロボロ、髪はパサパサで伸び放題、1日に何度も洗う手はガサガサ。
みすぼらしい姿で一日中家に篭っているくせにろくに家事もこなせない自分。
どんどん低くなる自己肯定感。
夫が私の手を見て「おばあさんの手みたいになったね」と言いました。
普段だったら「うるさいなー、そっちこそお腹出てきてるじゃん」と笑って言い返しますが、何も言えず、後から段々悔しくて悲しくなってきて涙がこぼれてきました。
やばい
寝なきゃ
夫が休みの前日の夜、夜間のオムツ替え、哺乳瓶での授乳、寝かし付け、抱っこ全てを託して別室で寝かせてもらいました。
眠れたのは5時間。
それだけでずっとずっとずーっと重かった頭が少し軽くなりました。
溜まっている家事もボロボロの自分の姿も「今だけ今だけ!仕方ない!」と思えるようになりました。
激務で睡眠時間を削りながら働いている人はたくさんいるでしょうが、「日曜は何もせず寝て月曜からまた頑張るか」が出来るか出来ないは大きな違いだと思います。
1回しっかりと寝てリセットが出来ない日々が数ヶ月続くと正常な思考を保ちにくくなります。
どこかブラック企業で自分の時間や睡眠時間を何ヶ月も削り続けられ命を絶つ方向へ意識が向いてしまうことと似ているかもしれません。
育児は皆やってるんだから頑張ってくれ、そう思ってしまうのかもしれませんが、
その育児を日中誰も見ていない家の中で必死になって何とかこなしている現実に少しでも気付いてもらえたらと思います。